不規則性の中の規則性を住まいに
「1/f ゆらぎ」というコトバは耳にしたことがあるかと思います。
小川のせせらぎ、小鳥のさえずり、そよ風など、自然界には心やすらぐリズムが存在しています。
また、ロウソクの炎がゆらゆら揺らいでいるの観たり、心地良い音楽を聴いたり、安らかな気持ちでいるときの脳波にも1/fゆらぎが存在します。
1/f ゆらぎは、自然界の中で生きてきた人類にとって、人間本来の機能を保つために最適なヒーリングリズム(ビート)です。
我々が住まう居住空間の居心地の良さ、快適だとか不快だとか。あるいは気持ちが良い、悪いというのは、あくまでもその人の主観であり、そこに客観的なものは存在しないはずです。
ゆらぎは"生の本質をなすもの"・・・であるならば、私たちの体の中にも無数の1/fゆらぎが存在することになります。
その生体リズムの典型が心臓の鼓動で、心臓は一見規則的に脈を打っているようですが、規則的にリズムを刻んでいるとはいっても完全に規則的というわけではありません。
運動をしたり、大勢の人を前にしてスピーチすれば緊張もするし、お酒を飲めば心拍数は上がります。
実際に心電図の心拍の間隔(R―R間隔)を調べると、健康な人が安静にしている状態でも、心拍間隔は平均値プラスマイナス10パーセントも変動があり、ゆらいでいるといいます。
しかもそのゆらぎをスペクトル解析すると、きれいな1/fを示すといわれています。
Ⅶ 1/fゆらぎは生体のリズム
はじめて1/fゆらぎによる電気刺激を臨床に応用した高倉公朋氏(元・東京大学脳神経外科教授)によれば、「痛みの問題のように、精神的な影響も深く関係した複雑な生理機能の改善には、不規則性の中の調和(1/fゆらぎ)の概念は、特に重要である」と、「1/f変動刺激の応用」の中で述べています。
このように、1/fゆらぎは私たちの生活、生命活動そのものに根ざした生命のリズムであり、このリズムを電気刺激に応用した1/fゆらぎ刺激は、今後ますます注目される刺激法といわれています。